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つなぎ融資ってなに?つなぎ融資の使い方や費用・金利などわかりやすく解説!

注文住宅を建てるとき、手元の資金が少ない方などが「つなぎ融資」を利用する場合があります。つなぎ融資とは、どのようなローンなのか詳しく知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

つなぎ融資を利用すると資金計画なども少々複雑になりますから、事前に仕組みを理解しておきましょう。

つなぎ融資とは?

つなぎ融資とは、住宅ローンが実行される前に必要な資金を肩代わりしてくれる融度のことです。

通常、住宅ローンは完成した建物を担保に融資されます。分譲マンションや建売の一戸建てを購入するときは、担保となる建物がすでにありますから、購入代金の全額を住宅ローンで賄えます。

しかし、注文住宅を建築するときには、住宅ローンが実行される前に「着工金」や「中間金」などの資金が必要です。土地探しから始める場合は、土地の購入費用も準備しなければなりません。こうした資金を肩代わりする一つの方法として、「つなぎ融資」が使われます。

■つなぎ融資の使い方

つなぎ融資の具体例を、以下の資金内容で説明しましょう。

(1)土地代金:1,500万円
(2)着工金:800万円
(3)中間金:800万円
(4)残金:900万円

住宅ローン利用者は、合計4,000万円を金融機関から借り入れるとします。

(1)から(3)の3,100万円は、担保となる家が完成する前、つまり住宅ローンの実行前に用意する必要があります。

そこで、つなぎ融資で3,100万円を借り入れします。そして、建物が完成して住宅ローンが実行されるときに、つなぎ融資の借り入れ分を一気に返済するという流れです。

つなぎ融資の利用の流れ

つなぎ融資を受けるまでの流れを、紹介しましょう。

まず、借り入れする金融機関について。上記の通り、つなぎ融資は住宅ローンが実行された後で清算する仕組みのため、住宅ローンの借入予定の金融機関へ一緒に申し込みをする必要があります。つなぎ融資だけ別の金融機関で利用することは、原則的にできません。

また、つなぎ融資は、どの金融機関でも提供している商品ではありません。住宅ローンの利用を検討している金融機関が取り扱っているか、事前に確認しましょう。

申込後には金融機関で審査が行われ、それに通ればつなぎ融資の実行です。つなぎ融資は、必要なタイミングに合わせて利用できます。先ほどの例だと、「土地の購入時」「着工金の支払時」「中間金の支払時」の3回にわけて、それぞれの代金をつなぎ融資で受けることになります。

ただし、利用条件は金融機関によって異なります。融資回数でいうと3回のところもあれば6回まで利用できる金融機関もありますし、「それぞれの融資額は住宅ローン借入額の3割まで」など上限を設けている金融機関もあります。こうした制約を把握しておかないと、必要なときに必要な額を用意できませんから、忘れずに確認しておきましょう。

つなぎ融資の返済のタイミングは?

つなぎ融資で借り入れたお金は住宅ローンで完済する仕組みですから、借入期間中に元金を返済することはありません。ただし、多くの金融機関では金利分の返済を求められます。

詳しくは後ほど紹介しますが、つなぎ融資は金利が高く、その支払いだけでも結構な額になることがあります。建築期間が延びると、その分、支払い額も高くなりますので注意が必要です。

つなぎ融資で発生する費用は?

住宅ローンと同じく、つなぎ融資にも金融機関の事務手数料や印紙代などの諸費用が生じます。事務手数料は、約10万円が相場。印紙代は、借入額に応じて金額は異なります。参考までに、借入額が1,000万円を超えて5,000万円以下の場合は2万円です。

ただ、これよりも気になる費用が金利の支払いです。つなぎ融資は無担保融資ですから、住宅ローンの金利よりも高い傾向があります。たとえば、2021年現在の住宅ローンの金利は、固定金利が1~1.5%、変動金利なら0.5~1%くらいが一般的です。これに対して、つなぎ融資は2~4%くらいの金利で設定している金融機関が多いようです。

利息は日割りで計算され、工事の進捗が遅れるなどして返済日が1ヵ月延びると支払額は数万円増えることもあります。つなぎ融資の金利支払額がどれくらいになるのか、事前にシミュレーションをしておくことをおすすめします。

つなぎ融資の試算方法

金利支払額について、ここでは4,000万円の住宅ローンのうち3,100万円をつなぎ融資を利用するケースでシミュレーションしてみます。その内訳と借り入れるタイミングは、以下の通りです。

(1)土地代金:1,500万円(住宅ローン実行の6ヵ月前)
(2)着工金:800万円(住宅ローン実行の4ヵ月前)
(3)中間金:800万円(住宅ローン実行の3ヵ月前)

つなぎ融資の金利は3%として、支払額を試算してみましょう。

【土地代の金利支払額】1,500万円×3%÷365日×180日(6ヵ月)=約22.5万円
【着工金の金利支払額】800万円×3%÷365日×120日(4ヵ月)=約8万円
【中間金の金利支払額】800万円×3%÷365日×90日(3ヵ月)=約6万円

金利支払額の合計は、約36万5,000円にもなります。

ここで注意したいのが、借入額が増えるごとに金利支払額もアップしていくという点です。最初の2ヵ月は土地代の分だけの支払い(月額約3万7,500円)だけですが、2ヵ月を過ぎると着工金の分(月額約2万円)が、さらに3ヵ月を過ぎると中間金の分(月額約2万円)が加わり、最大で月額約7万7,500円の金利負担が生じます。

借入額が増えればこれ以上の負担が生じますし、建築期間が延びれば金利支払額の支払期間も延びますから、つなぎ融資を利用する際にはしっかり検討することが大切です。

つなぎ融資を使わない選択肢も

金利負担をできるだけ抑えたいという方なら、「つなぎ融資を利用しない」という選択肢もあります。たとえば、自己資金で土地代や着工金などを準備するか、別のローン商品を使うという方法も一手です。具体的な方法を考えてみましょう。

【自己資金を増やす方法】親から資金援助してもらう

金利負担のかからない方法で自己資金を増やすなら、「親から借りる」というのが一手です。自分の預貯金と親からの借入額を併せて土地代や着工金を賄えれば、つなぎ融資を使わずに済みます。

「多額の資金援助があると贈与税が課せられるのでは?」と、心配な方もいらっしゃるかもしれません。しかし、住宅取得に関する資金援助については、特例(住宅取得等資金に係る贈与税の非課税の特例)があり、一定の条件を満たす家を建てる場合、最大1,200万円までは非課税になります。

なお、この特例は2021年12月31日までに贈与した場合に限りますから、検討している方は早めに動くことをおすすめします。

【別のローン商品を使う】住宅ローンの分割融資を使う

一部の金融機関では、住宅ローンを複数回にわけて融資を実行できる「分割融資」の商品を扱っているところもあります。これを使えば、土地の購入時、着工金や中間金の支払い時に住宅ローンの借入金額から賄えますし、金利も住宅ローンと同じですから金利負担を抑えられます。

ただし、分割融資を提供している金融機関は限られます。また、契約内容によっては手数料などの諸費用が高くなるケースもあるため、場合によってはつなぎ融資の方が金利支払額を抑えられることもあります。トータルの支払額を比較した上で決めましょう。

まとめ

注文住宅の建築に利用するつなぎ融資は、金利の支払いが生じたり、事務手数料が発生したりするなど、通常の住宅ローンと比べて少々複雑です。いつ、どのくらいの金額が必要で、その融資をどこから受けるかという資金計画は、事前に立てておくことが大切です。

コスモホームでは、専属のファイナンシャルプランナーが無理のない返済計画や貯蓄計画をご提案することが可能です。資金計画でお悩みの方は、ぜひ一度、ご相談ください。