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老後はマンションと戸建てどちらに住むべき?メリットやポイントを解説

老後の住まいの選択肢として、これまで住んでいた一戸建てからマンションに移り住む熟年層の方々が増えているようです。
戸建住宅にもマンションにも、それぞれメリット・デメリットがありますが、老後の生活を考えたときに、どちらの方が住みやすいのでしょうか。
家を選ぶときのポイントも含め考えてみます。

老後に住み替えるならマンションと戸建てどちらがいい?

老後に備えて住み替えを検討されている方の多くが、「いま住んでいる家に対して何らかの不安や不満を持っている」と考えられます。

住宅金融支援機構が50代から80代までの方を対象にしたアンケート調査によると、戸建てに住んでいる人は「浸水や土砂災害といったリスクに不安がある」「駅や商業施設などから遠い」「断熱性や耐震性に不安がある」などの課題を抱いている人の割合が高かったそうです。

これに対してマンションは、「住宅が狭い」「台所の使い勝手が悪い」「住宅ローンの返済負担が重い」などに困っている人が多いという結果でした。

一方で、「困っていることがない」と答えた人の割合は、戸建てが約4割だったのに対し、マンションは半数以上という結果になっています。
とりわけ70代だけで見ると、80%の人が課題を感じていないという調査結果です(戸建ては43%)。

家に対する不安や不満は人それぞれですが、老後を見据えたときに「どちらの住居形態が課題は少ないか(解決しやすいか)」という点も、住居選択のポイントといえるでしょう。

参考:住宅金融支援機構「高齢者の住宅ニーズ等の分析」
https://www.jhf.go.jp/files/400361592.pdf

老後にマンションに住むメリット

老後の住まいとして、マンションを選ぶメリットについて考えてみましょう。

立地の良い物件が多い

一般的にマンションは、駅前や商業施設の近くなど利便性の良い地域に建っています。
スーパーや病院なども徒歩圏にあることが多く、免許返納後も不自由なく暮らせるのが、マンションを選ぶメリットの一つです。

災害やセキュリティ面で安心

マンションは鉄筋コンクリート造の頑丈な建物が多く、また上の階層であれば浸水被害なども避けられるため、災害時の不安を軽減できます。
セキュリティの点でも、オートロックや防犯カメラといった設備が充実していますし、管理人が常駐する物件なら何かあった際に相談でき、高齢者の一人暮らしでも心強く感じるでしょう。

管理の手間が省ける

建物(共有部)の清掃や修繕は、管理会社や管理組合が主導で進めます。
自分で管理する部分は室内だけですし、基本的にはワンフロアで階段もないため、清掃なども楽になるでしょう。
実際に管理負担を軽減するため、マンションに住み替える人は多いです。

老後にマンションに住むデメリット

老後を見据えてマンションに住み替える際には、以下の点について、物件選びや対策を立てることが大切です。

管理規約で制約されることが多い

どのマンションにも管理規約があり、居住者はそれを守る必要があります。
たとえば、ペットの飼えない物件もありますし、飼えても種類や大きさなどに細かな規定を設けている物件は多いです。
また、リフォームも管理規約で制限されることが多く、場合によっては実現できないことがあるかもしれません。

管理費・修繕積立金などが負担になる

マンションは建物の管理負担が省ける一方で、管理会社や組合に「管理費」「修繕積立金」を毎月支払う必要があります。
また、車を所有している方は駐車場代がかかる物件がほとんどです。
老後の収入は年金のみになる方は、これらの費用を勘案しないと家計を圧迫する可能性があります。

庭付き物件が少ない

多くのマンションには庭がなく、庭いじりが趣味の方にとっては物件が限られてきます。
1階に庭付きの物件もありますが、管理規約によって使い方が制限されるケースがほとんどです。
物件によっては、退去時に原状回復を求められることもあります。

老後に戸建てに住むメリット

つづいて、老後も戸建てに住み続けることで享受されるメリットを見ていきます。

自由度が高い

戸建て住宅のメリットの一つが、「自由度の高さ」です。
マンションのように管理規約はありませんので、ペットを飼うのも、楽器を演奏するのも、バリアフリー対応のリフォームをするのも、基本的には自由にできます。

庭がある暮らしを楽しめる

敷地に余裕があれば、庭のある暮らしを楽しめるでしょう。
庭の使い方も管理規約などで制限されませんので、家庭菜園をしたり、日本庭園を造ったり、ペットの遊び場を設けたりと、自由に使えます。

住居費を抑えやすい

戸建てなら、管理費や修繕積立金、駐車場代といった費用は不要です。
将来のリフォームに備えて貯蓄する必要はありますが、その費用もマンションで毎月支払い続ける管理費などの総額と比べたら、安く抑えられるのが一般的です。

老後に戸建てに住むデメリット

老後も戸建てに住み続ける際に、考えておかなければならない点もいくつかあります。
以下の内容は、将来を見据えて検討が必要なポイントです。

管理が大変

清掃や修繕など、家の管理はすべて自分で対応しなければなりません。
災害などで家が大きく破損すれば、住み替えが必要になることもあるでしょう。
管理に手が回らなくなったことが理由で、マンションへ住み替える人も多いです。

修繕・リフォームのための貯蓄が必要

マンションのように修繕積立金はないものの、将来のリフォームや修繕に備えて貯蓄をしておく必要があります。
資金計画をしっかり立てておかないと、いざというときに住み続けられない可能性もあるでしょう。

デッドスペースが生まれやすい

2階建ての家の場合、高齢になると階段の昇降が難しくなり、2階が活用されない家庭も多いです。
それでも清掃などの管理は必要ですから、それが煩わしくなってマンションに移り住む方もいらっしゃいます。
もっとも、この問題は平屋の家に建て替えることで解決できます。

老後にマンション・戸建てに住み替える際のポイント

マンションであれ戸建てであれ、老後を見据えて住み替えを検討するときは、以下のポイントも検討したいところです。

住み替えのタイミングを考える

住み替えのタイミングとしては、「子どもが独立したとき」「定年退職を迎えたとき」「リフォーム・建て替えが必要なとき」といったケースが多く見られます。
建物の状態にもよりますが、どのタイミングで住み替えるかをあらかじめ決めておくと、資金計画も立てやすくなります。

自己資金を多めに用意する

資金計画を考える際には、「自己資金をどれくらい準備できるか」も確認したいポイントです。
住宅ローンを活用する場合、高齢になるほど返済期間が短くなるため、高額の融資が受けられなくなります。
また、老後の収入は年金のみという方は、返済が始まってからの家計を圧迫する恐れがあるため、審査に通らないことも考えられます。

高齢になると医療費などの費用も高くなりますので、それも勘案した上で購入できる家を探した方が安心です。

利便性の良い立地の物件を探す

スーパーや病院などの生活に必要な施設が、徒歩圏にある物件を選ぶこともポイントです。
将来、車が運転できなくなったときでも、不自由なく生活できるでしょう。
郊外の家を探すときは、バスなどの公共交通の便も確認したいところです。

まとめ

マンションにも戸建てにも、メリットがあればデメリットもあるため、どちらが老後に適しているかは人それぞれ。
一概にはいえません。
そのため、「老後にどんな暮らしをしたいか」という将来のビジョンを描くことが重要といえます。

資金計画も含めて、豊かなセカンドライフを送れそうな住まいを選びましょう。