住宅ローンの借り換えはどう行う?メリットや費用の目安、金利など徹底解説!
住宅ローンは、一度組んだら完済まで一切変更できないものと思っている方も多いかもしれません。しかし、住宅ローンは借り換えが可能です。すでに支払っている住宅ローンに不平不満がまったくない場合は当然ながら借り換える必要もありません。しかし、もし住宅ローンを見直したいということなら、借り換えという選択肢もおすすめです。
今回は、住宅ローンの借り換えについて紹介します。借り換える魅力はもちろん、借り換えにかかるコスト、金利などについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンは融資を受けて返済していくものです。当然ながら、完済するまでは返済が終わることもありません。しかし、住宅ローンは提供している団体がそれぞれ異なり、住宅金融支援機構が提供するフラット35のようなものもあれば、金融機関が独自に行っているものもあります。当然ながら、それぞれ金利が異なるだけではなく、そのほかの条件も異なります。そのため、自分たちに合わない住宅ローンを長く返済していると不平不満が出てくることもあるでしょう。
そんなときに活用できるのが住宅ローンの借り換えです。これは文字通りほかの団体や金融機関で借り換えるというもので、場合によっては返済総額を減らせたり、適用金利を切り替えられたりします。そのほかにも団体信用生命保険の保証を充実させられたり、改修工事による新たなローンを一緒に組めたりします。
あまり賢い方法とはいえませんが、すでに複数のローンを組んでいる方は一本化も可能です。借金と同じでローンも一本化できれば管理がしやすくなり、返済計画もより一層立てやすくなります。そういった意味も含めて、住宅ローンの借り換えには魅力が多くあります。
もし、現行の住宅ローンに何かしらの不平不満がある場合は、ぜひ借り換えという選択肢を検討してみましょう。単に借り換えるだけで得られる利点も多いので、活用しない手はありません。ただ、欠点がないわけではないため、慎重に考えていくことが必要です。
住宅ローンの借り換えのメリット
1. | 総返済額を減らせる |
---|---|
2. | 適用金利を切り替えられる |
3. | 団体信用生命保険の保証を充実させられる |
4. | 改修工事による新たなローンも一緒に組める |
5. | 一本化することによって管理しやすくなる |
住宅ローンの借り換えはデメリットよりもメリットの方が多いです。上記では簡単に借り換えの魅力をまとめてみました。ここからは下記にて、住宅ローンの借り換えを活用するメリットについて簡単に説明します。
1. 返済総額を減らせる
住宅ローンの借り換えによって得られる一番の魅力は、返済総額を減らせるという点です。住宅ローンと聞くと、まるでそれが一つの商品かのように感じられますが、実は銀行などによって提供している商品が異なります。
銀行からすれば住宅ローンも商品の1つなので、いかに多くの人に利用してもらうかが重要となってくるわけで、ほかの銀行との競争によって条件が変わることもあります。そのため、より条件の良い住宅ローンへの借り換えによって、返済総額を減らせる可能性も見えてきます。住宅ローンは数年数十年と返済していくものなので、20~30年後には合計で数千万円以上の返済をしていることも多いです。途中で住宅ローンを借り換えることで、合計の返済総額が数十万円~数百万円という単位で減る場合があります。
2. 適用金利を切り替えられる
住宅ローンの借り換えは適用金利を切り替えられるのも大きな魅力です。たとえば、今まで金利が年1.5%だったものを年0.725%のものに借り換えるだけで、大幅な節約になります。一見すると微量な効果しかないように思えるかもしれません。しかし、以下の表を見てみるとその印象も大きく変わってくるはずです。
項目 | 借り換え前 | 借り換え後 |
---|---|---|
借入残高 | 2,000万円 | 2,000万円 |
返済期間 | 20年 | 20年 |
適用金利 | 年1.5% | 年0.725% |
月間返済額 | 9万6,509円 | 8万9,546円 |
年間返済額 | 115万8,108円 | 107万4,552円 |
月間返済額は7,000円前後下がり、年間返済額は8万円前後下がっています。適用金利を切り替えるだけで大幅な節約が期待できるため、住宅ローンの借り換えを選択する余地は十分にあります。
もしくは月々の返済はそのままに、返済期間を短縮することも可能です。金利の切り替えだけで返済期間が1年前後短縮することもあるため、活用次第で大きく変わってくるはずです。
3. 団体信用生命保険の保証を充実させられる
住宅ローンを組む際、ほとんどの団体や金融機関では団体信用生命保険への加入が必須となっています。これ自体が審査項目に入っていることもあるため、団体信用生命保険は切っても切り離せないものとなります。そもそも団体信用生命保険とは何かというと、契約者本人が死亡や障害で返済不可能となった場合、返済を肩代わりしてくれる保険です。条件は厳しいものの、団体信用生命保険に加入しておくことで残された家族を守ることにつながります。
ただ、この団体信用生命保険は保証がそれぞれ異なります。そのため、住宅ローンを借り換えした際に保証を充実させたいと考える人もいるでしょう。住宅ローンの借り換えでは団体信用生命保険の保証も充実させられるため、万が一に備えたい方にとっては魅力も大きいです。団体信用生命保険は原則として返済途中で変更はできませんが、住宅ローンの借り換えのタイミングであれば最新の団体信用生命保険に切り替えられる可能性があります。
4. 改修工事による新たなローンも一緒に組める
住宅ローンを返済している中、リフォームやリノベーションをする方も多いでしょう。これらリフォームやリノベーションは数十万円~数百万円単位に及ぶため、ローンを組んで支払いたいという方も少なくありません。その際、住宅ローンを借り換えることで、新たなローンを一緒に組めます。
別途でローンを組むこともできなくはないですが、それでは管理が大変です。そのため、改修工事をしたタイミングで住宅ローンの借り換えをするのが賢い選択となるでしょう。もちろん、これら改修工事で発生するコストはすべて一発払いできるのが理想です。そのため、貯金などで代用するなど、ほかの方法とも相談しながら考えていくと良いでしょう。
5. 一本化することによって管理しやすくなる
住宅ローンのほかにカーローンやカードローンがある場合、銀行によっては一本化できる場合があります。原則として、ローンはそもそも融資の目的が異なるので、すべてをまとめるということはできません。しかし、団体や金融機関によっては一本化も不可能ではありません。
それによって管理しやすくなることで、より返済計画も立てやすくなっていくのではないでしょうか。特に、複数のローンを組んでしまっていてわかりづらくなっている方は、一度、住宅ローンの借り換えを活用して一本化することも考えてみてはいかがでしょうか。
借り換えで得をする目安は?
住宅ローンの借り換えで得をする目安は何を基準に考えれば良いのでしょうか。これに関しては明確な目安がありません。しかし、たとえば借り換えによって住宅ローンの負担が減るということなら、十分に得をすると考えられるでしょう。前述の表を今一度用いると、月間返済額も年間返済額も減ることがわかります。
項目 | 借り換え前 | 借り換え後 |
---|---|---|
借入残高 | 2,000万円 | 2,000万円 |
返済期間 | 20年 | 20年 |
適用金利 | 年1.5% | 年0.725% |
月間返済額 | 9万6,509円 | 8万9,546円 |
年間返済額 | 115万8,108円 | 107万4,552円 |
つまり、適用金利を目安にして得をするかどうか考えるのが良いでしょう。仮に住宅ローンの借り換えによって適用金利が上がる場合は損をします。逆に適用金利が下がる場合は得をします。そこまで単純なものではありませんが、適用金利がどうなるのかによって借り換えすべきかどうかを判断するのがおすすめです。
もしくは、返済期間を短くできるかどうかで考えてみるのも良いでしょう。返済期間が1年短くなるだけで数万円~数十万円の節約になります。単純に住宅ローンの借り換えで金利を抑えた場合、毎月毎年の返済額は変えずに完済までの期間を短くできます。通常より1年短く完済すればその分の経済的負担も減るでしょう。
まずは適用金利や返済期間を目安に得するか損するか考えてみましょう。
借り換えの注意点
ここまで住宅ローンの借り換えの魅力を説明してきましたが、手放しで喜んで良いわけではありません。最後の項目で説明しますが、そもそも住宅ローンの借り換えには諸費用がかかります。いくら月間返済額や年間返済額を減らせるとはいっても、諸費用が高くなってしまっては本末転倒です。その点は十分に注意しましょう。
また、借り換えには多数の手続きが必要となります。書類の準備から契約の手続きまで行わなければならないだけでなく、付随して給与振込口座や引き落とし口座の変更も必要となってくるでしょう。忙しい人であればそれらの手順1つ取っても面倒に感じてしまうため、手間がかかるという覚悟だけは持っておくべきです。
そのほか、住宅ローンの借り換えは必ずしも実行できるわけではないですし、必ずしも得をするとは限りません。現行の住宅ローンが優れたものであれば、無理に借り換えする必要もありません。そこは冷静に考えることが必要です。
借り換えにかかる諸費用
分類 | 項目 | 目安 |
---|---|---|
既存の住宅ローンの手続き | 全額繰上返済手数料 | 数千円~3万円ほど |
抵当権抹消費用 | 2万円ほど | |
新規の住宅ローンの手続き | 保証料 | 数十万円ほど |
事務手数料 | 数万円ほど | |
印紙税 | 〃 | |
抵当権登記費用 | 〃 |
住宅ローンの借り換えには、主に既存の住宅ローンの手続きと新規の住宅ローンの手続きでコストがかかります。これらを合計すると30~80万円ほどとなることが多いため、まとまったお金を用意しておかなくてはなりません。
これらのコストは借り換え後の住宅ローンに含められますが、それではせっかく借り換えた恩恵も薄れてしまいます。そのため、できれば貯金などから一括払いできるよう準備を進めておきましょう。むしろ貯金ができてから住宅ローンの借り換えを考えても良いかもしれません。
まとめ
住宅ローンはそれぞれの団体や金融機関に申し込むことで借り換え可能です。借り換えすることで適用金利が下がり、返済額を減らせたり返済期間を短くしたりできます。
もちろん、絶対に得をするとは限りませんが、活用次第では数十万円~数百万円の節約になる場合もあります。そのため、住宅ローンに不平不満がある方は借り換えも検討してみましょう。