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元利均等返済と元金均等返済の計算方法 それぞれどちらがお得?

住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。

それぞれ借り入れた元金と元金に基づいた利息を合計した金額を毎月返済するのですが、それぞれ異なる特徴があり、人によって向き不向きがあります。
自分に向いている返済方法を選ぶために、それぞれの違いを知っておきましょう。

元利均等返済とは

元利均等返済とはどんな返済方法?

元利均等返済とは、毎月、元金と金利を合わせた一定の額を返済していく方法で、返済額が同じなので返済計画が立てやすいというメリットがあります。

毎月の返済額(元金+利息額)が一定になる返済方法で、返済期間中は毎月の返済額が変わらないという特徴があります。
つまり初回の返済額も、20年後の返済額も変わりません。

元利均等返済のおおよその計算方法ですが、たとえば、1,000万円を年利3パーセントで借りた場合、1カ月分の金利は、「3パーセント÷12カ月=0.25パーセント」。

「1,000万円×0.25パーセント=25,000円」が1カ月分の金利になります。

たとえば、元金と金利を合わせた1カ月分の返済額を30,000円にするなら、元金5,000円と金利25,000円を合わせた額を返済するのです。

ただし、この割合は、1回目の返済のときだけです。2回目以降は、借入総額から支払った元金を差し引いた借入残高で金利を計算します。

具体的には、金利が「(1,000万円-5,000円)×0.25パーセント=24,987円」になります。したがって、2回目の返済額30,000円の割合は、元金5,013円と金利24,987円になるのです。

毎月の返済額は30,000円ですが、返済を重ねるたびに元金の返済割合が増加し、金利の返済割合が減少する返済方法が元利均等返済になります。

返済当初は返済額に占める元金の割合が低く、金利の占める割合が高くなりますが、返済が進むにつれて徐々に返済額に対して元金の占める割合が高くなっていきます。

元利均等返済のメリット・デメリット

元利均等返済のメリットは、毎月の返済額が変わらないということです。そのため、返済計画が立てやすく、家計の収支計算を考える際も簡単です。

元利均等返済のデメリットは、元金均等返済に比べると最終的な総支払額が高くなるということ。返済当初は利息の支払い割合が高く、元金が減りづらくなっています。
利息額は元金を元に算出されるため、元金が減りづらい元利均等返済では利息額が多くなるのがデメリットと言えるでしょう。

元金均等返済とは

元金均等返済どんな返済方法?

元金均等返済とは、毎月、一定の額の元金と残り期間に応じた金利を返済していく方法です。
借入額を返済期間で割って算出した元金に合わせて、先月の返済日から今月の返済日までにかかった利息を支払います。

前述した元利均等返済とはことなり、毎月の支払額が変動異なるのが特徴です。
返済当初は元金が多く、それに対する利息がプラスされるため毎月の返済額が大きくなります。
しかし返済をすすめるにつれて元金が大きく減っていきますので、毎月発生する利息の金額も減り、月々の返済額が小さくなっていきます。

元金均等返済のメリット・デメリット

元金均等返済のメリットは、元金の減るスピードが早いので利息分が少なくなり、総支払額が抑えられるという点です。

その反面、借り入れ当初の返済額が多いので家計の負担が大きくなりやすいことがデメリットといえるでしょう。

返済当初の支払額が大きくなる返済方法なので、家計に余裕がない人には適していません。

元利均等返済と元金均等返済 どちらがお得になるのか?

元利均等返済と元金均等返済では実際の返済時の返済額や総支払額はどのように変わるのでしょうか。

【設定条件】
・2,500万円の住宅ローン
・全期間固定金利の1.29%
・返済期間は35年間
・ボーナス返済はなし

元利均等返済の場合

毎月の返済額は7万4,000円で、35年間の返済期間終了まで返済額は変わりません。
35年間の総支払額は3,108万円。
最終的な利息は608万円です。

元金均等返済の場合

次に、同じ条件で元金均等返済をした場合です。

借り入れ当初の支払額は、8万6,398円です。
元利均等返済と比較すると1万2千円ほど高くなりますが、ここから返済額に応じて毎月の支払額は減少していきます。

例として10年経過時点での支払額は以下のようになっています。
11年目78,720円
21年目71,810円
31年目63,363円

35年間の総支払額は3,007万円。
最終的な利息は507万円です。
つまり約100万円分の利息を減らすことができます。

借り入れ可能額の試算

年収に対する返済負担率の設定は金融機関によって異なります。
そのため、今回は住宅金融支援機構の運営する「フラット35」で見てみましょう。

●フラット35の返済負担率設定
年収300万円未満:25%以下
年収300万円~400万円未満:30%以下
年収400万円~700万円未満:35%以下
年収700万円以上:40%以下

つまり年収400万円の人は、年間の返済額が140万円以下になる金額まで借り入れが可能です。そして、元金均等返済は借り入れ直後の返済額が高くなりますので、年間の返済額も高くなります。
そのため、年収400万円の人が年利1.29%で返済期間35年間の住宅ローンを借り入れる場合、借入可能額は以下のように差が発生します。
元利均等返済:2,533万円
元金均等返済:2,170万円

また、住宅ローンの融資審査は、年収以外の要素も見られます。
希望する借入額が上記の返済負担率ギリギリのような場合は元利均等返済を検討すると良いでしょう。

元利均等返済・元金均等返済それぞれで自分に合った返済方法は?

元利均等返済が向いている人

元利均等返済には返済当初の負担が少ないという特徴があります。

・手持ち資金にあまり余裕がない人
・毎月の収支にあまり余裕がない人
・毎月の収入額に変動がある人

といった方は元利均等返済が向いています。
また、同じペースで返済を行う場合、元金均等返済よりも総支払額が高くなりますが、繰り上げ返済をうまく活用することで、利息分を抑えて総支払額をへらすことも可能です。

元金均等返済向いている人

元金均等返済には、総支払額が減らせるという特徴があります。

・手持ち資金に余裕がある人
・毎月の収支に余裕がある人
・利息をあまり支払いたくない人
・最初に負担が大きくても、後で楽をしたい人
と言った方は元金均等返済が向いています。

また、将来的に養育費が増えるのが心配。返済期間中に定年退職を迎える。といったような将来的に収支に不安があるような場合も、将来のリスクを抑えるという点で元金均等返済がおすすめです。

元利均等返済は元金が減るペースが遅くなりがちです。
将来転勤や実家に戻るなどで家を売却する可能性が高い場合、元利均等返済では売却金額でローンを返済しきれない担保割れとなるケースもあります。
その場合は差額を自己資金で賄う必要も出てきますが、元金均等返済なら元金が減るペースも早いため、こういった可能性を下げることにも繋がります。

まとめ

元利均等返済と元金均等返済それぞれに大きな特徴があります。
特に借り入れ当初の負担が大きく異なるため、自分に向いている返済方法を選ばなければなりません。

住宅ローンに関して不安がある、住宅ローンの疑問を解決したいという場合はお気軽にご相談ください。