1. トップページ > 
  2. 住まいの豆知識 > 
  3. 住宅ローン減税を受けるための方法

住宅購入の税金を減らす住宅ローン減税(控除)! 受ける条件や流れは?

現在、国や自治体では、新たに住宅購入や増築・リフォームをする方に向け、金銭的な負担を軽減するためのさまざまな制度を用意しています。なかでも大きな効果があるのが「住宅ローン減税制度(以下、住宅ローン控除)」です。

一方で、住宅ローン控除は仕組みとして複雑な部分があり、また自ら手続きをしなければならないため、「どんな制度かよくわからず、不安だ」という方もいらっしゃいます。

そこでこの記事では、住宅ローン控除を受ける条件や流れについて詳しく解説していきます。

■住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を購入する方向けに、その金利負担を減らすための制度で、正確には「住宅借入金等特別控除」という名称です。新築住宅や中古住宅を購入するほか、増築やリフォームする場合にもこの制度を利用することができます。

住宅ローン控除では、住宅を購入してから10年間、毎年の住宅ローン残高の1%を(40万円を上限として)所得税から控除してもらうことができます。その控除額は10年間分で最大400万円(40万円×10年)となるため、これから住宅を購入しようとしている方には見逃せない制度といえるでしょう。

たとえば、制度の条件を満たす新築住宅を購入し、年末時点でローン残高が4,000万円以上ある場合、その年の税額控除の最大額は「4,000万円×1%=40万円」ということになります。翌年末、ローン残高が3,500万円になっていたとすれば「3,500万円×1% =35万円」を最大額として控除されます。

さらに、消費税率が8%から10%にアップしたことに伴い、消費税10%で住宅購入して令和元年10月1日〜令和2年12月31日までの間に入居した場合、3年間控除期間を延長することができます。また、認定長期優良住宅等を購入した場合には、毎年の上限額が50万円となるなど、細かい制度設計となっています。

ただし、ここまで解説してきたのはあくまでも税額控除の最大額です。たとえば、その年支払った税額が20万円であれば、税額控除の最大額が40万円だったとしても、20万円以上戻ってくることはないので注意しましょう。

住宅ローン減税との違いは?

住宅ローン控除と住宅ローン減税は、一般的には同じ制度(住宅借入金等特別控除)です。
不動産業界でも「控除」と呼ぶ人と「減税」と呼ぶ人で分かれますので、混乱しないようにしましょう。

なお税金において「控除」とは、決められた税額から一定の額を差し引いて税金を確定することを指します。たとえばサラリーマンの場合、所得税は給料から天引きという形で徴収されており、これは住宅ローン控除を適用した場合でも変わりません。

一旦、天引きとして支払った額が、「住宅ローン控除」制度によって控除され(差し引かれ)、その分が戻ってくるという仕組みとなっています。結果として負担する税額が減っていることから、この制度のことを住宅ローン減税と呼ぶ人もいるということです。

なお、住宅ローン控除という名称で呼ばれているものの、この制度は建物だけでなく土地にも適用することができます。

■住宅ローン控除の条件

住宅ローンは、住宅を新たに購入する人であれば誰しも受けられるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。

まず、人に対する条件ですが、控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であることが求められます。そのため、たとえば年収が3,000万円を超えるような高収入の方は利用することができません。

さらに、住宅そのものに関する条件が新築、中古、増築・リフォームの場合でそれぞれ次のように規定されています。

新築の場合

住宅ローン控除の対象は、その住宅を「居住用に供した場合」となっています。
つまり、自分が住むために購入した住宅でなければ適用されません。そのため、たとえば別荘やセカンドハウス、賃貸用物件などは対象外です。

そして、住宅の床面積が50平米以上であることも条件の一つです。
床面積は、戸建て住宅の場合は壁心、マンション等の共同住宅の場合は内法によって測定されます。

中古の場合

中古住宅の場合には、上に挙げた新築の条件に加えて、耐震性能に関する条件が追加されます。具体的には「築年数」か「耐震基準」のいずれかをクリアしていれば問題ありません。

築年数に関しては、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などの「耐火建築物」の場合には25年以内に建築された住宅であること、木造住宅など「耐火建築物以外」の場合には20年以内に建築された住宅であることが求められます。

一方、耐震基準は「耐震基準適合証明書」「既存住宅性能評価書で耐震等級1以上」「既存住宅売買瑕疵保険への加入」のいずれかを取得している必要があります。

たとえば、20年以上前に建てられた木造住宅であっても、耐震基準適合証明書を取得しているのであれば住宅ローン控除の適用を受けることができます。

増築・リフォームの場合

増築・リフォームの場合には、上に挙げた新築の条件に加えて、工事費用が100万円以上であることが求められます。
また、その内容についても一定のバリアフリー工事、省エネ改修工事、耐震改修工事などであることが求められます。

■住宅ローン控除の対象となるローン

ここまで、人や住宅に関する条件を紹介してきましたが、住宅ローン控除にはこの他にも住宅ローンそのものに関する条件も規定されています。
具体的には、返済期間が10年以上のローンを組んでいる必要があります。
また、原則として金融機関からの借り入れが条件となっており、親族や友人からの借り入れ時には適用されません。

なお、給与所得者がその使用者(雇用主など)や事業主団体からの借り入れは適用対象ですが、その場合には「金利が年0.2%以上であること」が条件となっています。
同様に、使用者や事業主団体から利子の補助を受ける場合は、「利子補給額を控除した後の利息が年0.2%以上であること」を満たしている必要があります。

■住宅ローン控除の計算方法

年収500万円の方の、ある年の住宅ローン残高が3,000万円というケースについて、その控除額を計算してみましょう。

控除の最大額は住宅ローン残高の1%で計算すると「3,000万円×1%=30万円」となります。
年収500万円の独身サラリーマンの場合、年間に支払っている概ね12万円前後とすると、まずこの金額が還付されることになります。

そして、このケースでは「30万円‐約12万円=約18万円」分の控除枠が残っていることになります。
住宅ローン控除では、所得税で控除しきれない部分は、13万6,500円を限度として住民税からも控除できるため、「約12万円+13万6,500円=約25万6,500円」が還付されます。

なお、上に挙げたものはあくまでも計算のための例です。
税額は扶養家族や年収によって大きく異なるため注意してください。

■住宅ローン控除の手続き

住宅ローン控除の適用を受けるためには確定申告をすることが必要です。そのため、入居した年の翌年1月以降に、申告書類を税務署に提出するのを忘れないようにしましょう。具体的には、次のような書類を用意しなければなりません。

1.住宅ローンの年末残高等証明書(金融機関から発行)
2.住民票の写し(役所)
3.源泉徴収票(勤務先)
4.住宅や土地の登記事項証明書(法務局)
5.売買契約書(不動産会社)

確定申告の提出は税務署に直接持っていく方法もありますし、Web上の申請、郵送などでも可能になっています。

なお、2年目以降は給与所得者であれば勤め先に書類を提出することで年末調整してもらうことができます。
年末になったら、確定申告後に税務署から送られてくる「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」と、金融機関から送られてくる「年末残高証明書」を勤務先の経理担当者に提出しておきましょう。

■まとめ

このように、住宅ローン控除は住宅購入者にとって非常にお得な制度ですが、その算出方法や手続きは複雑です。コスモホームには住宅ローンのエキスパートが揃っておりますので、住宅ローン控除でお悩みの方は、ぜひ一度、ご相談ください。