1. トップページ > 
  2. 住まいの豆知識 > 
  3. 本当に借りられる?住宅ローンの審査が心配なあなたへ

本当に借りられる?住宅ローンの審査が心配なあなたへ

住宅ローンは金融機関からお金を借りる融資制度です。「審査」を通過しなければ、借りることができません。

金融機関は毎月の返済で、元本にプラスして金利を支払ってもらうことで利益を出します。もちろん、返済してもらえなければ利益が出るどころか赤字です。「審査」と聞くと難しそうですが、「この人なら貸したお金をきちんと返してくれそう」と思える人にだけお金を貸すということです。

では、もしも住宅ローンの審査に落ちてしまったら、どうすれば良いのでしょうか。審査に落ちないために知っておきたいポイントも踏まえてまとめました。

住宅ローン審査に落ちたら、まずやること

住宅ローンの審査に通らなかったといって、「もう家は買えない」とあきらめてはいけません。審査に落ちた理由を突き止め、それに対処する方法を考えることが前進への第一歩です。

審査に落ちる理由は人それぞれですが、意外と多いのが「申込書類の不備」。慎重に書いたつもりでも、記載事項の誤りや仮審査と本審査の内容に相違があるなど、ケアレスミスで審査に落ちるケースも散見されます。

よくある例が、収入の欄に実際よりも多く記載してしまったケース。審査に落ちたくない、という気持ちもわかりますが、提出書類には源泉徴収票や確定申告書もあるため、虚偽とみなされ審査に影響を与えます。

また、住宅ローンを申し込んだ直後に引越しや転職をした人だと、申込書と実際の住所や勤務先と異なってしまい、虚偽だとみなされることがあります。なお、金融機関の審査では「安定性」も重視されますから、転居や転職の多い人は収入などの安定性に問題があると思われ審査に影響を与えることもありますので、注意しましょう。

住宅ローン審査でよくある「落ちた理由」と対策のポイント

申込書類に不備がなければ、金融機関の審査基準を満たさない項目があったと考えられます。審査基準は収入額だけではありません。過去の返済歴といった個人信用情報や借入額、勤続年数、物件の担保評価、申込者の年齢や健康状態など、さまざまな要素で決定します。

審査の決定を下すのは金融機関です。これらの基準はどの金融機関でも共通のものと、金融機関によって異なるものがあります。

ここでは、多くの金融機関が設定している審査基準をもとに、審査に通りやすくするための対策ポイントと併せて説明します。

【理由1】個人信用情報に問題がある

金融機関では、クレジットカードやローン会社などの利用状況についても、各社より情報を取り寄せ審査基準の一つにしています。その情報のことを「個人信用情報」といいます。申し込みや契約内容から、残高、滞納履歴など、チェック項目がいくつもあり、これらの情報から住宅ローン借入額の適正額や申込者の信頼性などを評価するのです。

特に、滞納履歴は重要項目。過去に支払いが遅れたり、未払いが続いていたりすると信頼性は大きく下がり、審査に落ちやすくなります。なお、税金や公共料金などの延滞・未払いについても確認している金融機関もあります。

・<対策>借金を減らす
ローン会社からの借入額が多いと、住宅ローン借入額が少なくなってしまい、希望額を借り入れできない(=審査に落ちる)ことにつながります。自動車ローンやカードローンなど他のローンに借り入れがある方は、できるだけ返済して残高を減らしてから住宅ローンを申し込みましょう。

住宅ローンの申し込み後に、新たな借り入れをする場合も同じです。本審査に通るまでは、別のローンを利用しない、買い物は現金払いにするといった対策をしましょう。

・<対策>滞納履歴が消えるのを待つ
個人信用情報は、過去5~7年くらいまでさかのぼってチェックする金融機関が多いようです。現在は借金がなくても、過去の滞納履歴についても確認されますから、覚えがある方は時期が来るまで待つしかありません。タイミングをみながら、家づくりを進めましょう。

【理由2】返済負担率が高い

年収に対する年間返済額の割合のことを、返済負担率といいます。年収400万円の人が、年間100万円を返済する場合、返済負担率は25%(=100万円÷400万円)になります。

返済負担率は、家計に占める負担割合ともいえますから、低いに越したことはありません。金融機関では、返済負担率の上限を設けているところが多く、その上限を超えると審査に影響を与えるので注意が必要です。

・<対策>借金を減らす
年間返済額には、自動車ローンやカードローンといった住宅ローン以外の借入も含まれます。ほかのローンの借入残高を減らすことで、希望額でも審査に通る可能性があります。

・<対策>借入額を見直す
年収の少なさが原因と考えられる場合は、借入額を見直すのも一手です。今の収入でいくら借り入れできるか(借入可能額)と、物件を購入した場合に利息を含めた返済額がいくらになるかをシミュレーションして、比べてみましょう。

借入額を減らすことで、返済期間中の家計負担を軽減できるというメリットもあります。

・<対策>頭金を多くする
借入額を減らすと、自己資金(頭金)を増やす必要があります。一般的に、頭金は物件価格の約2割あると審査にも良い影響を与えるとされます。貯蓄だけで足りない場合は親に支援してもらうなど、できるだけ多くの自己資金を準備しましょう。

【理由3】勤続年数が短い

フラット35など一部の住宅ローンを除き、勤続年数を審査基準とする金融機関は多いです。

給与所得者の場合、一般的には勤続3年以上が審査をクリアする基準といわれます。これは自営業の方も同じです。自営業の方の場合、過去3期分の確定申告書か納税証明書を申込書と一緒に提出します。

転職や起業をして間もないなど勤続3年未満の人は、収入が安定していないと判断され、審査がマイナスにはたらきます。

・<対策>勤続年数を問わない住宅ローンを選ぶ
上記でも紹介したように、住宅ローンのなかには勤続年数を問わない商品もあります。その代表が、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」です。フラット35の主な審査基準は、年収と住まいの機能で、勤続年数は問いません。このため、転職して間もない方や自営業者に人気の商品です。

・<対策>借り入れる金融機関を選び直す
勤続年数が3年以下の金融機関もあります。ネットバンクのなかには、半年から1年という条件で借り入れできるところもありますし、地方銀行や信用金庫では柔軟に対応してくれるところもあるようです。その代わり、ほかの基準が厳しくなりますが、相談する価値はあるでしょう。

【理由4】担保評価額が低い

担保評価額とは、住宅ローンの借入金の担保として設定する物件の評価金額のことです。住宅ローンを利用する際には物件に抵当権を設定しますが、これは債務者がローンを返済できなくなったときに、金融機関が債権回収に動くうえで必要なものです。

担保評価額の低い家は債権回収ができず、金融機関にとっては損失になります。特に、築年数の古い中古住宅を購入する場合、担保評価額が低いため、住宅ローンの審査に通りにくい傾向があります。

・<対策>新築住宅など評価額の高い物件を検討する
一般的に、中古住宅は担保評価額が低いことから住宅ローンの審査が厳しいといわれます。中古住宅の購入希望者が住宅ローンの審査に落ちた場合、担保評価額がネックになっていることも考えられますから、新築住宅や築年数の浅い家など物件の見直しも検討したいところです。

【理由5】完済時の年齢が高い

借入時の年齢と借入期間も、審査基準に影響を与えます。ほとんどの金融機関では、住宅ローン完済時の年齢を80歳までと定めていますが、実際には安定した収入がある定年(65歳)までに完済することを求める金融機関が多いようです。

完済時の年齢が定年後になる場合は、審査がマイナスにはたらくことがあります。

・<対策>返済期間を見直す
定年までに完済できるよう、返済期間を見直しましょう。借入時の年齢が40歳の方なら最長で25年、50歳の方ならできるだけ短くなるよう、設定し直す必要があります。

返済期間を短くすると、ローン返済額が家計に与える負担は重くなりますから、資金計画の見直しも必要です。

【理由6】健康状態が良くない

多くの住宅ローンは、団体信用生命保険(団信)への加入が利用条件になっています。このため、住宅ローンの本審査では申込者の健康状態もチェック項目の一つです。健康に不安があると判断された方は、仮審査で通過しても本審査で落ちる可能性があります。

・<対策>ワイド団信など審査に通りやすい団信を選ぶ
団信を提供する保険会社は、一社ではなく複数あります。その審査基準は保険会社によって異なり、持病が原因で審査に落ちた方が別の会社で通る可能性もあります。

有名な保険に、「ワイド団信」があります。一般的な団信よりも金利が高くなりますが、基準は厳しくないので加入しやすい保険です。健康状態が理由で落ちたと考えられる方は、こうした保険を検討してみましょう。

まとめ

住宅ローンの審査に落ちても、借金を減らすなどの対策をしたり、金融機関や保険会社を選び直したりすることによって、再審査で通過する可能性があります。逆に、何もしなければ再審査も同じ結果になるでしょう。

返済額や金融機関の見直しなど、素人では実行するのが難しい点もあるかと思います。当社では家計見直しのプロ・財務戦略パートナーが、返済に無理がなく審査に通りやすい住宅ローンの組み方をアドバイスいたします。審査に不安な方は、お気軽にご相談ください。