「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」を活用して20代でマイホームを。夫婦で組む住宅ローンのメリット・デメリット
ペアローン型の住宅ローンをご存知ですか?
「人生最大の買い物であるマイホームの購入で妥協したくない」
「希望の条件で借入を行うほど収入がない」
そんなときに、夫婦それぞれに収入のある共働き世帯では、夫婦もしくは家族の収入を合算してローンを組める制度です。
例えば、夫の年収が400万円、妻の年収が200万円であれば、合算した600万円の年収で住宅ローン審査を受けることができます。
この制度を利用することで単独ローンでは審査に落ちてしまうような物件でも選択肢に入れることができるようになります。
また、夫婦で住宅ローンを契約する方法には「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」といったようにいくつか種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
20代でまだ年収が低いから住宅購入は早いとお考えの方もおおくいらっしゃいますが、こういった制度を利用することで20代でのマイホーム購入も夢ではありません。
ただし、焦らずにご家庭にあった契約方法を選ぶことが大切です。
ここではそれぞれの特徴を把握していきましょう。
「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」の概要
前述のように、夫婦で住宅ローンを契約する方法はいくつか種類があります。
まずは「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」それぞれの概要とメリット・デメリットを見ていきましょう。
ペアローンとは
ペアローンとは、夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを借り入れる方法です。
3,000万円の物件であれば夫が2,000万円、妻が1,000万円というように、合計で住宅の購入資金までの金額を借り入れます。
単独ローンとの違いは一つの物件に対して二つのローン契約を結ぶことです。
夫婦それぞれの借入に対して審査が行われるため、結果的には単独の収入での審査よりも借入額を増やせます。
ただし、
・契約者それぞれに安定収入があること
・両者が同居中または、将来同居予定
・両者ともに団信の加入が必須
といった条件も存在します。
ペアローンのメリット
・夫婦それぞれの借入額に対して審査されるため、合計借入額が単独でよりも増やせる。
・住宅ローン減税の控除枠を、夫婦それぞれに使うことができ、節税効果を高められる。
・夫婦それぞれが団信に加入でき、片方が亡くなった場合、亡くなった側の住宅ローンは返済義務がなくなる。
ペアローンのデメリット
・2つの契約となるため事務手数料や印紙税などの費用が2倍かかる。
・どちらかの収入が減少しても毎月の返済額は変わらない。
・どちらかが退職すると退職した方の所得税がかからなくなり、住宅ローン減税が受けられない。
連帯債務型とは
連帯債務型はペアローンとは異なり、住宅ローンの契約は1本となります。
ローン契約者のほかに連帯債務者を立て、2人の連名で住宅ローンを契約します。
夫が契約者で妻が連帯債務者となる場合、それぞれが同じだけの債務を負うことになります。
イメージとしては、夫婦で1つの住宅ローンを一緒に返済するものと覚えておくとよいでしょう。
連帯債務者も契約者と同様の債務を負うため、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。連帯債務型では債務が双方にかかるため、審査では契約者と連帯債務者の返済能力を合算して行います。
一般の金融機関では、連帯債務者は団信に加入できませんので、連帯債務者が返済途中で亡くなった場合、ペアローンとは異なり単独でそれまで通り全額を返済する必要があります。
「フラット35」の場合は連帯債務者も団信に加入できますが、団信特約料が通常の1.56倍になる点に注意が必要です。
連帯債務型のメリット
・夫婦それぞれの借入額に対して審査されるため、合計借入額が単独でよりも増やせる。
・住宅ローン減税の控除枠を、夫婦それぞれに使うことができ、節税効果を高められる。
・1つの契約のため、事務手数料や印紙税などの費用は単独ローンと変わらない。
連帯債務型のデメリット
・一般の金融機関では、連帯債務者が団信に加入できない。
・フラット35なら連帯債務者も団信に加入できるが、団信特約料が通常の1.56倍になる。
・ペアローンや連帯保証型に比べると取り扱い金融機関が少ないので、選択肢が狭まる。
・離婚した場合なども返済義務が発生する。
連帯保証型とは
単独ローンと同じく住宅ローンの契約は1本で、契約者が毎月の返済をしていきます。
基本的に債務を負うのは契約者です。
夫が契約者で妻が連帯保証人となっている場合では、夫が返済不能となった場合に妻が代わりに返済する義務が発生します。なお、契約者が死亡した場合は通常通り団信が適用されるのでその後の返済義務は生じません。
ただし、連帯保証型では連帯保証人は住宅ローン減税の対象とはならず、団信への加入もできません。
連帯保証型のメリット
・連帯保証人の返済能力が考慮され、借入額が増やせることがある。
・1つの契約のため、事務手数料や印紙税などの費用は単独ローンと変わらない。
連帯保証型のデメリット
・連帯保証人は住宅ローン減税が受けられない。
・連帯保証人は団信に加入できない。
夫婦で住宅ローンを組む際のポイント・注意点
物件の所有権に注意
住宅ローンを夫婦共同で組んだ場合、物件の所有権も夫婦共同になります。
また、購入資金の負担割合と所有権登記の持ち分比率を揃える必要があり、3,000万円の物件に対して夫が2,000万円、妻が1,000万円のペアローンとした場合、所有権の持ち分は夫が3分の2、妻が3分の1となります。
負担額と持ち分割合が違うと、贈与税の対象となることもあるので注意が必要です。
住宅ローン減税を二人とも使用できる?
夫婦で一緒に住宅ローンを組む場合、多くの方が住宅ローン減税の利用による節税効果を期待します。
住宅ローン減税は住宅ローンの借入残高の1%にあたる金額を、最大10年間(令和元年10月~令和2年12月の契約は13年間)にわたって所得税から控除できる制度。
一定の要件を満たしていれば最大で年間50万円もの税金が返ってきます。
住宅ローン減税の適用は、住宅ローンの契約者であることが前提となりますので、「ペアローン」「連帯債務者型」は夫婦それぞれが住宅ローン減税を受けられます。
しかし、連帯保証型の場合はあくまで保証人なので、住宅ローン減税の恩恵は受けられません。
まとめ
こちらでは、夫婦で住宅ローンを組む際の3つの方法について説明をさせていただきました。
20代でもマイホームの購入は夢ではないということが分かるかと思います。
今回紹介した「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」の向き不向きをまとめると以下のようになります。
◯ペアローンに向いている人
・夫婦ともに安定した職業についている。
・出産や育児休業を経ても職場に復帰できる。
・夫婦ともに団信に問題なく加入できる健康状態。
◯連帯債務型に向いている人
・諸費用の負担を増やしたくない。
・どちらかがいずれ仕事を辞める可能性がある。
・住宅ローン減税を夫婦それぞれに使いたい。
◯連帯保証型に向いている人
・夫婦の収入を合算し、借り入れ可能額を増やしたい。
・物件の名義をどちらか単独にしておきたい。
その家庭によってどの形式が向いているか、向いていないのかは異なってきます。
コスモホームには住宅ローンのエキスパートが揃っております。住宅購入を諦める前に是非一度ご相談ください。